運転代行者の責任 | 名古屋市の交通事故、後遺障害に強い弁護士の無料相談|愛知県

運転代行者の責任

Q 車で来たのに、お酒を飲んでしまったため、運転代行業者に運転を依頼しました。ところが、その代行の人が事故を起こし、他の方に怪我をさせてしまいました。私は、責任を取らなければならないでしょうか?車は私の所有です。また、その事故で私も怪我をしたのですが、運転代行業者に責任を取ってもらうことはできるのでしょうか?

運転代行業者

運転代行業者とは、夜間、飲酒した顧客の自動車を、顧客を乗車させて、運転を代行するサービスを提供する業者のことを言います。

 

代行業者が他人に怪我をさせた場合

飲酒運転 代行業者が、交通事故によって相手に怪我を負わせた場合、代行業者は現に運転をしていた以上、加害者として責任を負うのは当然です。では、運転代行を依頼した顧客も責任を負わなければならないでしょうか。顧客が自賠法3条の「運行供用者」といえるかが問題となります。

結論から言うと、顧客も「運行供用者」に当たるので、運行供用者責任を負わなければなりません。「運行供用者」にあたるかは、前述のように、「運行支配」と「運行利益」の有無によって判断されます。
そうすると、運行代行者が起こした事故といえども、代行者が運転している車は顧客の車であり、顧客も自分の車に乗っている以上、「運行支配」と「運行利益」は認められます。判例もそのように考えています。

もっとも、このような考えの背景には、代行業者の実態が法的規制のもとに置かれていない、車好きの未成年者がアルバイト感覚で代行業者を名乗っているといういい加減なものが多く、そのような代行業者に依頼した顧客の責任を認めない理由は無いということに基づきます。

 

運転代行業者に対する法的規制

現在では、平成14年の道路交通法の改正によって、代行業者は都道府県の公安委員会の認定を受ける必要が出てきました。そして、安全運転管理者を設置し、料金を決めて営業所に提示するとともに顧客に説明すること、保険に加入することが義務付けられました。
平成16年には、顧客の自動車を運転するには、二種運転免許が必要となり、代行業者はタクシーと同様の法的規制を受けつつあります。

そうすると、今後は、タクシーの乗客がタクシー運転手の起こした事故について責任を負う必要がないのと同様に、タクシーと同様の法的規制を受けている代行業者が起こした事故についても顧客は責任を負わなくてもよくなることが予想されます。

 

代行業者に怪我をさせられた場合

(1)契約上の責任

では、代行業者の運転によって、顧客が怪我をした場合、顧客は業者に責任を追及することはできるのでしょうか。
顧客と代行業者の間には、業者が、顧客の自動車を運転して顧客と自動車を安全に運ぶサービスを提供する、これに対し顧客は業者に対し料金を支払うという契約が締結されています。そうすると、この契約違反として損害賠償責任を追及することはできます。

(2)運行供用者責任

では、顧客は、自賠法3条の「他人」として、業者に対し、運行供用者責任を追及することが出来るでしょうか。前述のように、顧客は自賠法3条の「運行供用者」であることが認められています。そこで、責任を負うべき「運行供用者」でありながら、自賠法で救済される「他人」の地位も認めることができるのかが問題となります。

最高裁平成9年10月31日判決は、代行運転を依頼した顧客の他人性を認めました。

最高裁は、原則として、自動車の所有者は、第三者に自動車の運転を委ねて同乗している場合であっても、特段の事情のない限り、第三者に対する関係において、自賠法3条の「他人」には当たらないとしています。なぜなら、被害者たる運行供用者(自動車の所有者)は、事故防止について中心的な役割を担う所有者として同乗していたので、他の共同運行供用者が被害者の運行支配に属さずにその指示を守らなかった等の特段の事情がない限り、具体的運行支配の程度は他の運行供用者のそれと同程度にあるためです。

代行運転しかし、代行運転を依頼する場合、その顧客は、飲酒により安全に自動車を運転する能力、適性を欠くに至ったことから、自ら本件自動車を運転することによる交通事故の発生の危険を回避するために、運転代行業者に自動車の運転の代行を依頼します。

これに対し、代行業者は、運転代行業を引き受けることで、顧客に対し、自動車を安全に運航して目的地まで運送する義務があります。そうすると、事故当時において、事故の発生を防止する中心的な役割は代行業者が負っているといえます。
そして、顧客の運行支配は代行業者と比べて間接的、補助的といえます。
したがって、代行業者と顧客との間には前述した特段の事情が認められて、顧客は代行業者との関係で、自賠法3条の「他人」に当たります。

 

本件

顧客であり、車の所有者である「私」は、被害者である「他の方」に対し、運行供用者責任を負う可能性があります。 他方で、「私」は代行業者に対し、契約上の責任のみならず、運行供用者の責任(自賠法3条)を追及することができます。

 

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