妻が亡くなった場合(ケース2) | 名古屋市の交通事故、後遺障害に強い弁護士の無料相談|愛知県

妻が亡くなった場合(ケース2)

Q 平成19年1月22日、主婦でもありパートとしても働いている乙野花子(事故当時34歳)は、勤め先から帰宅の際、交通事故によって死亡しました。花子のパートの年収は、88万9750円でした。花子の受傷から生じた損害はいくらですか。主婦の逸失利益の算定はどのようにしますか。 車対歩行者の衝突事故です。 治療費は90万円、葬儀費用は150万円かかりました。 花子はパートをしながら経済的にも家計を支え、家事をしてくれていました。

積極損害

 治療費と葬儀費用はともに積極損害に入るので、合計240万円が損害額となります。

 

消極損害

 兼業主婦の死亡逸失利益

 

ア 計算方法

掃除

 兼業主婦の場合、家事労働を行いながら現実収入をも得ているので、基礎収入をどのように算定すべきかという問題が生じます。

 兼業主婦の場合、実際に収入を得てはいるものの、実際の収入が女子労働者の平均賃金をはるかに下回ることも多いです。 そこで、

  1. 現実の収入が平均賃金を下回っているときは、専業主婦と同様に賃金センサスの女子労働者の平均賃金(年収)を基礎収入とし、
  2. 現実の収入が平均賃金を上回っているときは給与所得者と同じく実際の収入額を基礎収入として算定します。

 さらに、兼業主婦は、家事労働を行いながら、現実の仕事での収入をも得ているので、現実収入に加えて家事労働分を金銭的に評価して合わせたものを基礎収入とすべきではないかという問題が生じます。

 この点、兼業主婦は、家事労働に充てる時間を外での労働に充てることで金銭を得ている、つまり、外で労働する分専業主婦に比べて家庭内での家事労働が質・量ともに減少しているので、兼業主婦の家事労働と現実収入の合計額は専業主婦の家事労働の価値と同等と評価することが適切という理屈により、現実収入に家事労働分を加算して基礎収入することはできません(名古屋地裁平成3年8月30日判決)。

 以上をふまえた上で、計算方法は、

  1. 現実収入が平均賃金を下回っている場合、専業主婦の計算方法と同様になるので、 「賃金センサスの女子労働者の平均賃金(年収)×(1-本人の生活費率(30~40%))×((67-死亡時年齢)に対応するライプニッツ係数)
  2. 現実収入が平均賃金を上回っている場合、 「基礎年収×(1-生活控除率)×就労可能年数に応じた係数」+ 「年金年収×(1-生活控除率)×平均余命に応じた係数」となります。

イ 本件

 花子の年収は88万9750円であり、当時の賃金センサスの女性労働者の平均賃金(年収)は、346万8800円でした。比較すると、賃金センサスの方が高いため、こちらが基礎収入として算定されます。

 そして、生活費控除率を30パーセントとし、34歳から67歳までの33年間の就労可能期間に対応するライプニッツ係数は16.003であるから、  346万8800円×(1-0.3)×16.003=3885万7844円が逸失利益となります。

 

慰謝料

 慰謝料は、花子が主婦であるから、前述のケース1の3(1)の③その他に該当し、2000~2500万円が基準となります。実際ケースの素材となった裁判例では、2000万円が認定されました。

 

結論

 今回のケースでは、積極損害と逸失利益と慰謝料を足した、  240万円+3885万7844円+2000万円=6125万7844円が花子の受傷から生じた損害となります。

 

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