息子・娘がなくなった場合 | 名古屋市の交通事故、後遺障害に強い弁護士の無料相談|愛知県

息子・娘がなくなった場合

Q 甲野太郎は(事故当時19歳)は、平成22年3月29日、車を運転中、信号のある交差点を直進していたところ、対向車線にいた車が黄色信号の状態で右折しようとしたため、太郎は急ブレーキをかけ横転する事故に遭いました。この事故によって太郎は亡くなりました。太郎は当時大学生でした。太郎が本件事故によって受傷した損害額がどうなりますか。 太郎は制限速度を時速20キロメートルオーバーしていました。 加害車両は、太郎の車がバランスを崩しているのを認識しながら右折しようとしました。 太郎は大学を中退し、別の大学に入学する予定で、入学予定の大学に学費を支払っていました。 治療費は、74万2780円かかりました。 支払い済みの学費としては、25万円かかりました。

積極損害

 治療費、支払い済みの学費は積極損害として認められるので、74万2780円+25万円=99万2780円が積極損害となります。

 

消極損害

逸失利益についてくわしくは「赤ちゃんがなくなった場合」をご覧ください。

本件

 太郎は本件事故当時19歳で、前の大学を中退して新しい大学入学を控えていました。太郎が新しい大学に合格していることを考えると、太郎が新しい大学を卒業する前に退学するとは考えにくいです。とすれば、逸失利益の算定は、死亡時である平成22年の賃金センサス産業計・企業規模計・大卒男子全年齢の平均給与額633万2400円を基礎収入とします。そして、23歳から67歳までの期間に相当するライプニッツ係数を用います。生活費控除率は太郎が男子である以上、50パーセントとなります。

 したがって、計算すると 633万2400円(平成22年賃金センサス男性大卒全年齢平均)×14.5312(18.0772(19歳から67歳までの48年間のライプニッツ係数)-3.5460(23歳から19歳までの4年間のライプニッツ係数))×(1-0.5)=4600万8685円が逸失利益となります。

3 慰謝料

(ア)基準

死亡の時の慰謝料は、「交通事故損害額算定基準」(日弁連)に基準が定められています。

  1. 死者が一家の支柱である時 2700~3100万円
  2. 死者が一家の支柱に準ずるとき 2400~2700万円
  3. その他 2000~2500万円 となっています。

(イ)本件

 太郎は、一家の支柱ではないので、③に該当します。実際、本ケースの素材判例では、慰謝料として2100万円が認められています。

 

過失相殺

(ア)総論

 過失相殺とは、損害を公平に分担するために、民法722条2項によって、被害者に何らかの過失があるときに、その賠償額を減少させることを言います。過失相殺をするか否かは裁判官の自由な判断に任せられています。もっとも、裁判官は「損害賠償の額」を定めることについて斟酌できるのみで、責任の有無については斟酌することはできません。  したがって、被害者の過失がどれだけ大きくても、加害者に過失がある限り、加害者が賠償すべき損害賠償額全部を免除することはできません。

(イ) 過失相殺の基準
(a)過失割合

 自動車同士の事故の場合、ほぼ両者に同質の注意義務が課せられるので、各々の過失の程度を過失割合をもって示すことが妥当と考えられています。この過失割合に他の事情を加味して過失相殺率が決められます。

 

(b)右折車と直進車

 右折車は、法律上、直進車の進行を妨げてはいけません(道路交通法37条)。したがって、過失割合は、進行妨害した右折車が80パーセント、直進車が20パーセントと考えられています。もっとも、都会地では、右折を示す矢印信号が設置されていますが、この場合に右折車のために青矢印が出ているときは、赤信号を無視した直進車は、その過失を全部負担しなければなりません。

 

(c)本件

 本件事故は交差点で起きました。太郎は直進しようとしたところを加害者車両が右折したために本件事故は起きました。したがって、過失の割合は原則として、太郎が20パーセント、加害車両が80パーセントとなります。

 そして、本件事故が起きた交差点の指定速度は最高時速50キロメートルであるところ、太郎は時速約70-80キロメートルで走行していました。太郎には、少なくとも時速20キロメートルの速度違反が認められます。他方、加害車両の運転手は、太郎の車が直進していることを認識しながら、右折しようとしました。そのうえ、太郎の運転する車がバランスを崩しているのを認識しながらそのまま進行しました。この点に、加害者車両の運転手の過失の程度は著しいです。

 したがって、本件事故の発生については、太郎と加害者の双方に過失が認められますが、本ケースの素材となった判例では、加害車両の運転手の過失を大きく考え、過失の割合は、加害車両の運転手が85パーセント、太郎が15パーセントと評価されています。

 

結論

 したがって、積極損害と逸失利益と慰謝料を足した  99万2780円+4600万8685円+2100万円=6800万1465円が太郎が受傷から生じた損害額となります。  実際には、過失相殺がされるので、5780万1245円となります。

 

交通事故Q&Aの最新記事

顔が見える地元愛知の弁護士です!事故発生から解決まで、依頼者と同じ目線でトータルサポートいたします。着手金0円・完全成功報酬制 0120-758-352