
レジャー中の事故
スキー場、海水浴場等レジャー中の事故
- スキー中、他のプレーヤーのスキー・スノボと衝突して事故
- スキューバダイビング中に溺死した
- サーファーのサーフボードをぶつけられてケガをした
- ハングライダー、パラグライダー等で他人と接触し墜落した
- スカイダイビングに際し、パラシュートが開かず墜落した
スポーツは、遊戯・競争・肉体鍛錬の目的で、特定のルールに従って行われる身体運動の総称であり、身体運動である以上、ある程度のケガをする危険性を含んでいます。
それでは、スポーツをする者は当該スポーツに内在する危険を認識認容したとして、スポーツ中のケガについて損害賠償を求めることはできないのでしょうか。
この点、スポーツといっても、個人競技であったり団体競技であったり、他者との接触が想定されているか否か等によって、危険の度合いが全く異なります。そのため、一概に危険を受忍していると判断するのではなく、個別具体的状況に応じて、加害者等に過失が認められるか否かを検討していく必要があります。
●加害者に対する責任追及
→不法行為に基づく損害賠償請求
●レジャー施設の事業主に対する責任追及
→設計に瑕疵がある場合
→スタッフに過失がある場合
→信義則上の安全配慮義務違反
●学校の課外授業中の事故
→学校管理下の事故であり、学校事故をご参照ください。
●スキー教室等の事故
→教室の主催者及び指導者個人に対する責任追及
スポーツの特性に鑑みて、その義務を判示した判例をいくつかご紹介します。なお、ゴルフ場での事故についてはこちらをご参考ください。
スキーヤーの義務
スキー場において上方から滑降する者は、前方を注視し、下方を滑降している者の動静に注意して、その者との接触ないし衝突を回避することができるように速度及び進路を選択して滑走すべき注意義務を負う(最高裁平成7年3月10日)
サーファーの義務
比較的海岸に近く、多数のサーファーの存在が予想される区域であるから、ウインドサーフィンの遊戯者である被告は、ウインドサーフィンの急制動が困難という特質を考慮の上、サーファーと衝突しないよう、サーファーの有無を十分に確認し、サーファーが存在しない場所を進行すべき(大阪地裁平成9年6月13日)
スキューバダイビングにおけるガイドの義務
ダイビングは、一般的に危険を伴うスポーツであり、ひとたび危険が生じた場合に生じ得る結果の重大性などに照らすと、ダイビングにおけるガイドは、計画の策定、管理・遂行に際し、参加者の技量及び経験、ダイビングの性質、環境(場所の難易度及び危険度、天候並びに海洋条件)などの具体的状況に応じ、参加者の生命又は身体に対する危険を回避し、その安全を確保するよう配慮する義務を負うというべきである(福島地裁郡山支部平成21年9月4日)