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過失割合が0の場合

◆過失割合0となるケースは?

交通事故による損害賠償において、過失割合の問題となる場合があります。特に双方走行中の車両同士の事故の場合には、それぞれ一定の割合の過失を負うことが多いです。
もっとも、車両同士の事故でも、停車中の車両に対する追突事故や一方車両の赤信号無視やセンターラインオーバーによる事故の場合には、基本的には、被害者の過失は0となります。

過失割合0の事故でも頸椎捻挫等のけがを負うことはありますから、必ず病院を受診して医師に診断書を作成してもらい、人身事故の届出をしましょう。
また、追突事故の場合には、軽微な事故であることを理由として、加害者から物損事故の扱いのままにしてほしいと要求されることもあります。
被害者としては、実際に事故により負傷したのであれば人身事故となるのですから、そのような加害者からの要求に対しては、毅然とした対応を取るようにしましょう。

◆過失割合0となる場合のメリットとデメリット

過失割合は交通事故により生じた当事者双方の損害の賠償責任の分担の割合となりますから、被害者の過失0である場合には、加害者側に生じた損害について被害者は何らの賠償責任を負うことはありません。その意味では過失割合0であることは被害者にとって良いことです。

もっとも、過失割合0であれば被害者は事故に関して何らの賠償責任を負わないことを意味し、被害者の加入している保険会社による保険金の支払の問題は生じないことから、被害者の加入する保険会社の担当者は事故の賠償について間に入ることができません。

したがって、被害者の過失割合0の場合には、基本的に被害者は事故に関する賠償について、直接、加害者の保険会社と交渉しなければならないのです。

◆過失割合0であれば代理人は不要?

過失割合0であるからといって、被害者としては、代理人に示談交渉を任せる必要が全くないというものではありません。

たとえば、停車中の追突事故の場合には、軽微な事故であることを理由に保険会社が治療費の支払等を早期に打ち切ってきたり、極めて低額な慰謝料の支払により示談を迫ってきたりすることもあります。
あるいは、追突事故の場合でも後遺障害等級認定を受けるような後遺症の残る場合もありますから、しっかりと後遺障害による損害についての賠償をしてもらう必要があります。

◆過失割合0の場合において代理人となってくれるのは?

被害者の過失割合0の事故においては、先ほど説明したとおり、被害者の加入する保険会社の担当者は、代理人として、相手方の保険会社と交渉することはできません。
したがって、被害者としては、弁護士等に相談の上、必要であれば代理人となってもらう必要があります。

その際、気をつけるべきことは、自分の保険会社の担当に交渉してもらう場合には特別の費用は掛からないところ、弁護士等に交渉の依頼をするときには、そのための費用が発生することです。
もし、被害者自身の保険に弁護士費用の特約が付帯しているのであれば、それを利用することにより費用の負担を免れることもできるので、積極的に利用するとよいでしょう。

他方、弁護士費用の特約が付帯していない場合には、費用の金額によっては代理人として交渉してもらうことの経済的メリットはない可能性もありますので、実際に弁護士等に交渉を依頼する場合には、費用面について十分確認してからにしましょう。