付添い看護費はどのように計算するの?
付添看護費は、大きく分けると以下の4つに分類できます。
症状固定前 | 入院付添費 | 交通事故で入院した被害者に付き添った場合に賠償の対象となる損害 |
---|---|---|
通院付添費 | 通院に家族が付き添った場合 | |
症状固定までの自宅付添費 | 交通事故の被害者である近親者等が自宅生活するに際して、身の回りの世話や看視・声掛けによる介護を必要とする場合 | |
固定後 | 将来看護費 | 重度後遺障害により症状固定後も付添介護が必要な場合 |
入院付添費
付添看護が必要との医師の指示がある場合はもちろん、医師の指示がなくとも、受傷の程度、被害者の年齢等により、客観的に付添看護の必要性が認められる場合、付添人に対してかかる費用が損害として認められます。
なお、付添人の交通費や宿泊費も別途、損害として認められます。
付添人が職業付添人の場合は、実費が損害として認められます。
付添人が近親者の場合は、損害額は1日あたりの定額で計算されており、自賠責保険の基準では1日につき4100円とされ、任意保険の基準でも1日につき4100円とされることが多いです。裁判の基準では1日につき6500円とされています。
保険会社からの示談案の中には、入院付添費が入っていないこともあるので、注意が必要です。
通院付添費
被害者が、足を骨折して歩行できない時や高次脳機能障害のためや幼児等であるため一人で通院できない場合、通院のためには付添人が必要になります。
この付添人に対してかかる費用が損害として認められます。なお、付添人の交通費も別途、損害として認められます。
付添人が職業付添人の場合は、実費が損害として認められます。
付添人が近親者の場合は、損害は1日あたりの定額で計算されており、自賠責保険の基準では1日につき2050円とされ、任意保険の基準でも1日につき2050円とされることが多いです。裁判の基準では1日につき3300円とされています。
保険会社からの示談案の中には、通院付添費が入っていないこともあるので、注意が必要です。
(症状固定時までの)自宅付添費
交通事故により要介護状態になった場合、退院後症状固定までの自宅付添費が損害として認められる可能性があります。
付添人が職業付添人の場合は、実費が損害として認められます。
付添人が近親者の場合は、損害は1日あたりの定額で計算されており、自賠責保険の基準では1日につき2050円とされ、任意保険の基準でも1日につき2050円とされることが多いです。
裁判の基準では、明確な基準はありませんが、必要かつ相当な金額とされます。ただし、入院付添費よりは低額となることが多いです。 保険会社からの示談案の中には、自宅付添費が入っていないこともあるので、注意が必要です。
将来介護費
症状固定後も、重度後遺障害により付添介護が必要な場合に、その後遺障害の内容や程度、介護の負担などに応じて損害が認められる可能性があります。
将来介護費は、原則として「年額(1年あたりの評価額)×症状固定時の平均余命に対応するライプニッツ係数」から算出されます。
介護と聞くと、日常生活(入浴・食事・更衣など)の介助が一般的に認識されていると思いますが、傷病の種類によっては、そうした日常生活には支障がないものの、人格変化などが障害の中心となる場合もあります。
このような場合でも、生活の質を保つ観点から、見守りや声掛けがなければ人間らしい社会生活を送ることが困難だとされる場合は介護の一種として、将来介護費が認められる場合もあります。
では、どんな時に将来の介護費用は請求でき、どの程度の金額を請求できるのでしょうか?実際に自賠責保険で3級以下の認定であっても、認められたケースについて紹介します。
将来の介護費用は?
後遺障害認定3級以下の実例と請求について解説