後遺障害を負った後、死亡してしまった場合の損害額 – 名古屋市の交通事故に強い弁護士【名古屋総合法律事務所】愛知県

名古屋市の交通事故,後遺障害に強い弁護士の無料相談

名古屋の弁護士による 交通事故相談 相談料・着手金0円 賠償金増額のプロフェッショナル集団 名古屋総合リーガルグループ

名古屋・丸の内本部事務所

地下鉄 鶴舞線・桜通線
丸の内駅4番出口徒歩2分

金山駅前事務所

金山駅
南口 正面すぐ

一宮駅前事務所

名鉄一宮駅・尾張一宮駅
徒歩5分

岡崎事務所

JR岡崎駅
徒歩5分

後遺障害を負った後、死亡してしまった場合の損害額

弁護士 渡邊 佳帆

1.後遺障害を負った場合の損害額

交通事故に遭い、後遺障害を負った場合は、以下の損害が認定される可能性があります。

① 後遺傷害慰謝料

後遺障害を負ったことに対する慰謝料です。後遺障害の等級に応じて金額が決まりますが、状況に応じ、基準額から増減がされることがあります。

② 後遺障害逸失利益

後遺障害を負ったことで、労働能力が低下した分、将来負う不利益のことです。原則として、就労可能期間(多くは67歳まで)の分が認められます。

③ 将来介護費

後遺障害を負ったことで、将来にわたり介護が必要になった場合の介護費用です。専門職による介護のみならず、家族による介護を予定している場合でも介護費用として損害額に計上されます。原則として、平均余命までの期間分の費用が認められます。

④ 家屋等改造費

後遺障害を負ったことで、車いすで生活できるようにするため、階段を除きスロープをつけるなどの必要が生じた場合の改造費用です。改造が難しく、やむなく家を賃貸や新築した場合は、かかった費用のうち、相当と認められる額の賠償が認められる可能性があります。

 

2.後遺障害を負った後、死亡した場合の損害額

後遺障害を負った場合の損害額は、後遺障害を負って人生が続くことを前提としています。

しかし、不幸にも、交通事故の後で被害者の方が死亡してしまうこともあります。

この場合の損害額については、死亡の原因によって考え方が分かれます。

⑴ 交通事故が原因で死亡した場合

この場合は、最終的には交通事故によって死亡したと評価されます。そのため、損害額は後遺障害ではなく死亡によるものとして計算されます。

⑵ 交通事故とは別の原因で死亡した場合

この場合は、上記損害のうち、後遺障害逸失利益・将来介護費が、死亡するまでのものに制限されるのか、それとも原則どおり、就労可能期間や平均余命年まで認められるのか、という問題があります。

この点につき、後遺障害逸失利益と将来介護費によって最高裁判所の判断が分かれています。

ア)後遺障害逸失利益

最高裁判所は、「交通事故の被害者が事故に起因する傷害のために身体的機能の一部を喪失し、労働能力の一部を喪失した場合において、いわゆる逸失利益の算定に当たっては、その後に被害者が死亡したとしても、右交通事故の時点で、その死亡の原因となる具体的事由が存在し、近い将来における死亡が客観的に予測されていたなどの特段の事情がない限り、右死亡の事実は就労可能期間の認定上考慮すべきものではない」と判断しています(最高裁判決平成8年4月25日)。

後遺障害逸失利益については、被害者が交通事故の後に死亡したとしても、死亡しなかった場合と同様の賠償を受けることができるということです。

理由として、

①後遺障害逸失利益は交通事故のときに一定の内容のものとして発生しており、その後に生じた事由により内容が変化するものではないこと

②被害者がたまたま別の原因で死亡したことにより、賠償義務を負う者が義務を免れ、被害者の遺族が損害のてん補を受けられないのは衡平の理念に反すること

が挙げられています。

イ)将来介護費用

最高裁判所は、交通事故に遭った後で別の原因により死亡した場合の将来介護費用については、逸失利益とは別個の考慮を必要とするとしています。「交通事故の被害者が事故後に別の原因により死亡した場合には、死亡後に要したであろう介護費用を右交通事故による損害として請求することはできない」と判断しました(最高裁判決平成11年12月20日)。

理由として、

①介護費用の賠償は、被害者において現実に支出すべき費用を補てんするものであり、判決において将来の介護費用の支払を命ずるのは、引き続き被害者の介護を必要とする蓋然性が認められるからにほかならないところ、被害者が死亡すれば、その時点以降の介護は不要となるのであるから、もはや介護費用の賠償を命ずべき理由はなく、その費用をなお加害者に負担させることはかえって衡平の理念に反すること、

②衡平性の裏付けが欠ける場合にまで、交通事故の時に一定の内容の損害が発生したとの法的な擬制を及ぼすのは相当ではないこと

が挙げられています。

 

3.まとめ

後遺障害を負った後、交通事故が原因で亡くなった場合は、死亡した場合の損害額が認定されます。

一方で、交通事故とは別の原因で亡くなった場合は、後遺障害逸失利益については死亡しなかった場合と同じように損害額が認められるものの、将来介護費用については死亡したときまでの分しか認められないのが現在の裁判所の立場と言えます。

交通事故の後に別の原因で亡くなった場合、逸失利益の期間について保険会社と争いになる可能性があります。ぜひ弁護士にご相談ください。