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示談の時効

交通事故による加害者(保険会社)に対する損害賠償請求権は時効により消滅することがあります。そこで、以下について説明します

  • 時効の期間
  • 時効の起算点
  • 時効の中断

1. 時効の期間

交通事故による損害賠償請求権の時効期間は3年です。また、自賠責保険に対して保険金を請求するのであれば、後述の時効の起算点から2年で消滅時効にかかります。

なお、時効期間とは別に除斥期間というものがあり、これは20年とされています。

除斥期間と時効期間は、ともに時の経過により賠償請求できなくなるという点では共通しています。しかし、異なるところもいくつかあり、たとえば、除斥期間には中断の制度はありません。

2. 時効の起算点

交通事故による損害賠償請求権の消滅時効の起算点は加害者及び損害を知った時です。

多くの交通事故において、被害者が加害者を知るのは事故当日です。しかし、ひき逃げ事故のように加害者を事故当時に特定できない場合もあり、そのような場合には、加害者を特定しない限り時効期間は進行しません。
但し、先に述べた除斥期間については、加害者の特定の有無に関わらず、事故日を起算点とします。

次に、損害を知った時については、損害ごとに考える必要があります。具体的には、以下のようになっています。

①傷害にかかる損害

事故により生じた怪我の治療費については、事故が起きた日が消滅時効の起算点となります。そのため、治療期間が長くなったときは、実質的に、加害者側との交渉期間は短くなってしまいますので、このような場合、後述する時効の中断をしておくべきでしょう。

②後遺障害にかかる損害

損害逸失利益、後遺障害慰謝料については、症状固定日の翌日が消滅時効の起算日となります。

③死亡にかかる損害

この場合、死亡日の翌日が消滅時効の起算日となります。

3. 時効の中断

時効を中断する措置の代表例は訴訟提起です。なお、時効完成前の段階において裁判外の請求をしておけば、その請求から6ヶ月以内に訴訟を提起すれば時効は中断します。

加害者との直接交渉により示談を成立させた場合において、加害者が示談金の支払義務の履行をしてくれない状態が長期に渡り、時効の完成が近づいてきたときには、訴訟提起により時効を中断しなければならないこともありえます。

訴訟提起により時効を中断した場合には、判決の確定から新たに10年の時効となります。

また、時効は、加害者あるいは保険会社が被害者に対して(損害額に争いはあるものの)少なくとも加害者に損害賠償義務があることを認めることでも中断します。

そこで、時効の完成が間近に迫ってきたような場合には、加害者に賠償義務を認める旨の念書を書いてもらうことや、保険会社に債務を承認してもらうよう要求するなどの対応をとることが考えらます。

時効の中断は、時効期間の進行を一時停止するものではなく、リセットして改めて0から時効期間をカウントするものです。具体的には、時効完成まで1ヶ月の段階において時効中断すれば、中断事由が終了した時から、再度3年の経過により時効は完成することになるのです。

したがって、適切に時効中断の措置を講じれば加害者や保険会社が損害賠償義務を時効援用により免れることはできなくなります。

4. 時効が問題となる場合

交通事故による損害賠償の解決について時効が問題となることは多くありません。3年という期間は短いようで長いですから、時効の恐れがあるからといって慌てて低い示談金での和解に応じることのないよう注意しましょう。

時効が問題となるのは、たとえば長期に渡る治療のため示談交渉を始めるまでに既に事故日から相当の月日が経過しているようなケースです。
このときには時効の完成により賠償請求をすることができなくなってしまう可能性があるので注意する必要があるでしょう。

もっとも、治療が長期に渡る場合でも、保険会社が治療費の支払をしてくれている限り、時効は問題にはなりません。なぜなら、保険会社の治療費の支払は、被害者に対する損害賠償義務を前提とした賠償金の先行支払であり、債務承認として時効の中断事由となるからです。