愛知県の交通人身事故 | 名古屋市の交通事故に強い弁護士【名古屋総合法律事務所】愛知県

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愛知県の交通人身事故

1.愛知県における交通人身事故状況の概要

大戦後、愛知県では大規模な道路整備が進み、経済成長下における自動車の普及とともに自動車依存度が高まりました。交通事故件数も増加し、昭和44年に死者数は過去最多の912人を記録しています。

その後、交通安全施設等の整備や交通安全教育の普及などにより、交通事故による死者数は300人台まで減少しました。昭和60年ごろからは再び上昇に転じ、平成3年には589人を数えました。

事故件数・負傷者数は平成16年まで増加し続けました。しかし、飲酒運転の取締強化、道路のカラー化など多くの交通安全対策や、シートベルト着用率の向上、自動車・タイヤの性能改善、医療技術の発達などによって、全国的に交通事故による死者数は減少しています。

愛知県の交通事故による死傷者数は、平成16年に過去最多の77,099人を記録しましたが、その後、死傷者数・死者数は、増減を繰り返しながらも、大局的には減少傾向で推移しています。平成24年以降の死者数は昭和20年代と同数ほどにまで減少し、平成26年には204人となりました。

愛知県の死者数・死傷事故件数・死傷者数の推移

愛知県の死者数・死傷事故件数・死傷者数の推移

愛知県建設部道路維持課HP「愛知の交通安全対策」より

愛知県の死者数は、最近10年間では半減しているものの、全都道府県の中でも「ワースト・ワン」記録の長期継続が知られています。平成26年の交通事故の死者数は204人で、全国第1位を更新しています(以下、神奈川県:185人、千葉県および兵庫県:182人、埼玉県:173人の順)。

2.愛知県における交通人身事故の主な特性

平成26年における愛知県の人身事故の発生状況に関しては、愛知県警察本部 愛知県の交通事故発生状況 などにおいて、主な特性が以下のようにあげられています。

1)発生地域別・道路別特性

愛知県の人身事故の発生地域は、①名古屋市内(31.8%)、②西尾張(19.7%)、③東尾張(16.5%)、④西三河(18.0%)、⑤東三河(12.0%)、⑥高速道路(2.0%)の順となっています。山間地を除く県全域で、死傷事故が分散発生している傾向が見られます。

愛知県における死亡事故に関しては、幅広い幹線道路だけでなく、県道・市町村道など規格の低い道路で多発しているとの指摘もあります(松尾)。

また、国道上の交通事故発生件数の64%が、全体の22%の区間に集中している、という報告もあります。なお、追突事故は国道1号線の東三河地域に、右折事故は名古屋市付近の高速道路した交差点に、とくに集中して発生する傾向があげられています(国土交通省中部地方整備局名古屋国道事務所他)。

2)発生場所・事故類型・法令違反別特性

愛知県の人身事故の特性としては、以下の点もあげられています。

    1. ① 事故発生場所は、単路(43.3%)・中交差点(27.4%)・小交差点(11.3%)の順。
      ② 事故類型別には、追突(40.0%)・出合頭(27.7%)・右左折(0.10%)の順。
      ③ 法令違反別(第一原因)には、車両による安全不確認(51.2%)・車両による前方不注意(25.8%)の上位二つだけで全体の77%を占めます。
  • 愛知県の国道においては大型車両が多いため、他都道府県に比べて死亡事故にいたる確率が高く、追突事故や右折時事故は全国平均の2倍以上となっているとの指摘もあります(国土交通省中部地方整備局名古屋国道事務所他)。近年は、死者数の減少が鈍化傾向にあるものの、歩行者・自転車の死亡事故の割合が増加しているともいわれています(松尾)。

    3)発生の時間別・月別特性

    人身事故発生状況を「時間帯別」で見ると、人身事故件数が多いのは、①午後0-4時、②午前6-9時、③午後6-10時、④午前9-12時、⑤午後4-6時、の順となっています。また、死者数が多いのは、①午前9-12時、②午前6-9時、③午後6-10時、④午後0-4時、⑤午後4-6時、の順となっています。

    一方、「月別」では、事故発生件数・死者数とも12月が最も多くなっています。人身事故の発生件数の第2位は3月、死者数の第2位は2月、逆に人身事故件数の最低月は2月、死者数の最低月は5月となっています。なお、平成24年・25年の同統計においても、人身事故・死者数が最も高いのは12月となっています。

    4)事故の当事者種別・年齢別特性

    人身事故発生状況を当事者種別で見ると、死傷者数のうち最も多いのが①四輪車(69.2%)、以下、②自転車(17.0%)、③歩行者(6.0%)と続いています。また、死者数のうち最も多い当事者は、①歩行者(41.2%)、②四輪車(21.6%)、③自転車(18.1%)となります。それぞれの当事者種別の死傷者数および死者数を年齢層順位で見ると、それぞれ下表のようになります。

    死傷者数
    第1位 第2位 第3位
    合計 30-39歳 40-49歳 50-59歳
    ①四輪車 30-39歳 40-49歳 50-59歳
    ②自転車 16-19歳 子ども(15歳以下) 40-49歳
    ③歩行者 75歳以上 65-74歳・子ども
    死者数
    第1位 第2位 第3位
    合計 75歳以上 65-74歳 40-49歳・50-59歳
    ①歩行者 75歳以上 65-74歳 60-64歳
    ②四輪車 75歳以上 65-74歳 60-64歳
    ③自転車 75歳以上 65-74歳 60-64歳

    平成26年における交通事故死者数のうち、高齢者(65歳以上)が占める割合は60.3%ともっとも多く、以下、一般(25-64歳)が31.4%、若者(16-24歳)が7.8%、子ども(15歳以下)が0.5%となっています。社会の高齢化に伴い、交通事故による死者に高齢者の占める割合は増加傾向にあるといえます。

    3. 愛知県の「自動車保有台数」および「自動車免許保有数」

    都道府県ごとの車(乗用車、貨物車、乗合車、特種車、二輪車)の保有台数に関しては、愛知県は2位を大きく引き離し、全国第1位です。貨物車保有台数も全国最多で、とくに大型車両の割合が大きいことが伺えます。

    〈保有台数ベスト5〉

    自動車検査登録情報協会「都道府県別・車種別保有台数表」(平成27年7月末現在)より

    乗用車(万台) 貨物車(万台) その他(万台) 合計(万台)
    愛知県 4,076,278 773,243 302,887 5,152,408
    東京都 3,145,473 681,807 591,296 4,418,576
    埼玉県 3,151,227 616,383 285,288 4,052,898
    神奈川県 3,049,914 551,132 395,436 3,996,482
    大阪府 2,754,055 659,776 325,355 3,739,186

    (*「その他」は乗合車・特殊(種)車・二輪車の合計台数)

    〈運転免許の保有者数ベスト5〉

    警察庁交通局運転免許課「運転免許統計:平成26年版」によると、愛知県の自動車両(二輪・原付含む)運転免許の保有者数は15,133人となっています。大阪府(16,541人)に次いで第2位と、全国的にトップクラスです。以下、③東京都(13,928人)・④神奈川県(11,330人)・⑤埼玉県(11,153人)の順は前年と同様で、この上位5都府県が自動車免許保有者10,000人を超えています。

    全国的に見て、愛知県の交通環境は、自動車とくに大型車の台数がきわめて多く、免許保有者数も全国随一という状況です。交通事故に巻き込まれ、加害者もしくは被害者になる危険性も高いと見ることもできるでしょう。

    4. 「名古屋走り」と呼ばれるマナーの悪さ

    名古屋市2名古屋市とその周辺地域で見慣れる特有のマナーの悪い違反運転を「名古屋走り」と呼びます。
    典型的なのは、信号が黄色の時にはためらいなく進入し、赤信号になるタイミングでも状況によっては進入するケースです。前方の車が黄色で停止した場合には、それを追い越し、クラクションを鳴らす場合もあります。

    また、ウィンカーを出さずに車線変更する、出す場合でも車線変更の直前に出す行動が多くみられます。交差点内で車線変更したり、2車線以上連続で車線変更を行う車さえいます。名古屋市内では道幅が広い道路が多いため、少しでも前にいこうと、右に左に車線変更を繰り返しながら走行する車も目につきます。
    そして右折車線でもひどい運転が挙げられます。青になった途端、交差点内で対向の直進者よりも先に右折したり、先頭の右折車よりも先に、後続車が追い越して右折したりします。

    愛知・名古屋は路上駐車のマナーも悪く、歩道へ乗り上げて駐車したり、交差点駐車もよくみられます。
    このような県民性も交通事故が多発する要因のひとつと言えるでしょう。

    1)名古屋市とその周辺の道路網

    名古屋市3愛知・名古屋は、トヨタ自動車・三菱自動車の企業城下町といわれています。道路網が大変整備されています。

    名古屋市域の中心部などの旧市街地の地域(名古屋市中区・中村区・西区・北区・東区・千種区・昭和区・熱田区・瑞穂区・南区・港区・中川区)には、碁盤の目のように片側3から5車線の道路が走っています。
    これは、第2次世界大戦で1945年3月から8月にかけて63回にわたりアメリカ軍による名古屋の市街地大規模空襲により焦土と化した旧市街地を戦災復興都市計画に基づいて整備したことによるものです。
    この都市計画は大胆なもので、焦土となった旧市街地に幅員の広い道路を何本も東西南北に通し、市内各所にあった墓地をすべて東部の1ヶ所(平和公園)に集約するというものです。

    現在、この都市計画道路の空中には、名古屋市内の中心部(名古屋市中区・中村区・東区・千種区・昭和区)では環状に名古屋高速道路が走り、環状道路から名古屋市名東区・千種区・昭和区・中区・中村区の東西に1本(高速東山線・万場線)、南北に2本(名古屋市北区・東区・中区・昭和区・瑞穂区・南区・緑区にかけて1本(高速小牧線・楠線・大高線)、清須市・名古屋市西区・中区・中村区・熱田区・港区・南区・東海市にかけて1本(高速一宮線・清須線・東海線))の名古屋高速道路が走っています。

    また、第二環状自動車道が環状に名古屋市域を取り巻いております。
    名古屋市東部の名東区には東名高速道路の名古屋インターチェンジがあります。
    南部の湾岸地域(豊明市・緑区・大府市・東海市・名古屋市南区・港区・飛島村)には伊勢湾岸自動車道が通っています。
    郊外では、小牧市・一宮市で名神高速道路、小牧市・春日井市で中央自動車道、一宮市で東海北陸自動車道、緑区・大府市で知多半島道路が接続しております。
    名古屋市とその周辺は、一般道の整備も進んでおり、道路インフラが充実している地域です。

    名古屋市は道路網が大変整備されているため、速度も出やすい環境にあります。
    残念ながら、全国の交通事故発生件数は全国で1位となっています(平成25年、26年)
    安全運転を心掛けたいです。

    ■ 参考資料

    愛知県警察本部 愛知県の交通事故発生状況 
    愛知県建設部道路維持課HP「愛知の交通安全対策」
    警察庁交通局運転免許課「運転免許統計:平成26年版」
    国土交通省中部地方整備局名古屋国道事務所他「愛知県事故ゼロプラン」
    自動車検査登録情報協会「都道府県別・車種別保有台数表」(平成27年7月末現在)
    松尾久美子「包括的な事故対策」名古屋国道事務所ホームページ