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主婦/主夫の休業損害~主婦/主夫は休んでも何ももらえないのか~

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更新日:2026年8月17日

交通事故が発生した際に、仕事をしている人であれば、交通事故を原因とする休業をした際に、休業損害の賠償を得られる場合があります。
休業損害額は、一般的には、1日当たりの収入額を認定した上で、休業日数をかけて算出する例が多いと思われます。

給与所得者であれば、休業した場合と休業しなかった場合の給料の差額を、雇用主に証明してもらう方法で、比較的簡単に休業したことの損害額が分かります。

この時、事故を原因とした休業のために有給休暇を使っていれば、その分も休業損害として認められます。有給休暇の取得日数、いつ取得したかは、雇用主が証明してくれるでしょう。

これに比べて、会社役員や個人事業者のように時給・日給が算定し難いような労働形態の場合には、休業損害の認定が難しい場合もあります。

このような場合とはまた別の類型で、主婦/主夫の休業損害の問題があります。
主婦/主夫は、給料や役員報酬をもらっているわけではありません。

このような方は、給料等をもらっていないので、家事労働を休んでも休業損害額は0円なのでしょうか。
裁判例をみますと、実際にはそのようなことはありません。

家事労働であって、現実に家族から金銭・報酬をもらっていないとしても、このような家事・育児を第三者に頼めば、一定の報酬の支払いが必要です。例えば、掃除をするサービスを頼んだり、料理の提供を頼めば有料ですし、育児もシッターは有料です。

そのため、家事労働であっても、財産上の利益を得ているのと同じであると考え、主婦/主夫が交通事故を原因として家事・育児ができなかった場合にも、休業損害の支払いが認められています。

では、どのような基準で休業損害の額が計算されるのでしょうか。
家事労働がどの程度の料金の仕事で代替できるのか、人や家庭によって様々だと思われますので、標準的な計算方法では、賃金センサスという、厚生労働省が実施する集計に基づいて算定される平均的な賃金額を用いて計算しています。

家事労働で休んだ日数、時間を計算することは、実際には非常に困難です。
医師の診断書や診療記録、本人や家族の陳述書、専門職に家事を依頼した領収書を提示するなどして家事労働ができなかった期間の立証を試みますが、家庭内のことでもあり、実際に家事ができなかったかはわからないとして争われることも多いです。

そのため、計算方法としては、事故から時間が経過するほど、だんだんとからだが回復し、次第に家事ができる時間が増えていくと考え、たとえば、事故直後は100パーセント、一定期間経過すると50パーセント、治療終了間近なら10パーセントというように、段々と休業損害として認める部分を少なくしていく計算方法が取られることもあります。

入院していた場合は、入院期間中は100パーセント家事ができなかったと認定されることがほとんどです。

また、パートなどをしていた兼業主婦/兼業主夫の場合は、賃金センサスに基づく家事労働の休業損害額の方が、パートを休んだ分の休業損害額よりも高くなることがあります。
この場合は、相手方保険会社はパートを休んだ分に基づいて休業損害を計算してくることがあります。

しかし、賃金センサスに基づく家事労働の休業損害額と、パートの休業損害額のうち、高い方を採用するのが実務上の扱いです。

このように、主婦/主夫でも、休業損害の賠償を受けられる可能性がありますので、事故に遭った場合には、弁護士など専門家にご相談いただいた方がいいでしょう。

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