将来介護費用Ⅱ | 名古屋市の交通事故、後遺障害に強い弁護士の無料相談|愛知県

将来介護費用Ⅱ

前回は、将来介護費用が認められる場合について言及しましたが、今回は、将来介護費用が認定されるとして、どの程度の請求が可能なのかについて述べていきます。 前回の記事はこちら

一般的な基準

後遺障害は将来にわたって残存するものですので、介護費は被介護者が亡くなるまで発生することになりますが、被介護者の余命はわかりませんから、平均余命までの期間を対象として請求することになります(中間利息は控除します)。

介護費用の一般的な基準は次の通りです。

赤本

医師の指示または症状の程度により必要があれば被害者本人の損害として認める。
職業付添人は実費全額、近親者付添人は1日につき8000円。但し、具体的介護の状況により増減することがある。

青本

実際に支出されるであろう費用額に基づき相当額を認定する。近親者が付き添いを行う場合には、常時介護をする場合で1日につき8000円から9000円を目安に算定を行う。
常時介護を必要としない場合には介護の必要性の程度、内容により減額されることがある。

介護を受ける場所~施設介護・自宅介護~

医療機関で治療を受け、症状固定となり治療期間が満了した場合、患者は、どこで介護を受けるのか、すなわち、施設に入所し、24時間体制で介護を受けるか、自宅で介護するかを検討しなければなりません。
もちろん、当初、施設に入所できたとしても、退所させられることもありますし、当初自宅で介護をしていたものの、途中から施設に入所することも考えられます。どこで、介護を受けるのか慎重に検討しましょう。

自宅で介護をするにあたり、自宅をバリアフリー対応に改装した費用、患者通院用に購入した介護車両、介護用ベッド等介護用品についても損害賠償の対象となります。もっとも、同居家族の便益にもなる場合には、全額認められるわけではありませんのでご留意ください。

誰が介護をするのか~近親者介護・職業人による介護~

自宅で介護する場合、誰が介護者となるかを検討しなければなりません。
介護費用については、前述のとおり、職業人による場合は実際に要した費用、近親者介護の場合には、日額8000円~9000円が目安となります。

近親者介護の場合、裁判例においては、被害者の後遺障害の内容・程度、被害者の要介護状態、日常生活の自立の程度、必要とされる介護の内容・程度、介護のために必要な時間、介護主体の属性(性別・年齢・健康状態等)、介護仕様の家屋の建築、介護用具の使用等の要素を総合的に勘案し、介護主体にとっての肉体的・精神的負担の程度を具体的、実質的に検討して、将来介護費を算定しています。そのため、上記目安以上の日額が認められる場合や、介護者が2人以上必要であると認定される場合もあります

近親者だけで介護をされる場合には、適宜相談できる環境を整える、平日は職業介護で夜間早朝は近親者介護といった併用、一定の曜日につき公的介護サービスを利用するなど、現実的な介護環境を検討しましょう。

公的援助との関係

介護保険等の公的扶助の制度により、介護費用の負担を免れた部分について、介護費用が減額されるのでしょうか。
この点、裁判終了時(第1審口頭弁論終結時)までの介護費用については、実際に発生しているものであり、厳密な意味での「将来」介護費ではなく、公的扶助により負担を免れた分、介護費用が減額されます。

しかし、それ以降の「将来」介護費用については、以下の理由から、公的扶助による減殺をしないのが一般的です

公的扶助の制度が設けられているとしても、公的扶助を受ける義務を負うものではないし、同制度が将来にわたって存続する保障もないから(仙台地裁平成9年10月7日 自保ジャーナル1231号等)。

介護保険給付について、現実に支給されていない将来の給付見込み分について第三者が損害賠償の責任を免れることはできない(大阪地裁平成13年6月28日等)。

最後に、将来介護費用認定に当たって

将来介護費用を認定するうえで重要となるのが従前の介護実績です。
介護者による具体的な介護内容(1日のスケジュール・介護状況等)に関する日誌・忘備録等、介護をするにあたり必要となった介護用品の領収書を保管するとともに一覧表等を作成しましょう。
従前の介護実績が適切なものであれば、将来にわたって同じ介護を受ける蓋然性があると認められやすくなるでしょう。

将来介護費用は、(中間利息分は控除されますが、)平均余命まで認定されるため、その費目だけで相当高額になる場合が少なくないことから、裁判においてはその額の算定を巡って激しい対立となります。

例えば、別表第一の第1級認定・症状固定時30歳男性・自宅介護・近親者介護の場合における将来介護費用は・・

日額8000円×365日×51.21(平成26年簡易生命表より) ≒1億4953万3200円

これに、自宅介護に要した介護用品・自宅改装費等も加算されます。
そのため、将来の介護体制について慎重に検討するとともに、日常的に、介護の必要性・介護費用の相当性を裏付ける資料集めが重要となります。

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